淋病の病原体は淋菌と呼ばれる細菌で、多くは性行為で感染します。1879年ナイセルによって発見された双球菌で、そら豆がふたつ向き合ったような形をしています。乾燥や熱に弱く摂氏45度で30分、55度で5分間で死滅するといわれています。化学薬品にも弱く、昇こう水とクレゾール液で簡単に死にます。
現在ではペニシリンの発見により数日か数週間以内に完全に治癒するようになりました。しかし、ペニシリン耐性淋菌が増加する傾向にあります。現状は合成ペニシリンやテトラサイクリン系、セファロスポリン系、アミノ配糖系の抗生物質が治療薬として使われています。
淋病の症状は男性と女性ではかなり異なります。
初期における男性の症状は主として尿道がおかされます。感染数日で尿道がむずがゆい感じがしてきて、そのうち外尿道口が湿ってきます。尿道の先から粘液がにじみ出てきます。次第に排尿時に痛みが出、粘液がうみ状に変化します。その後、2〜3週間すると排尿時の痛みは激しくなり、うみの量も増え黄緑色のうみに血がにじむこともあります。症状が激しくなると寒気や発熱・頭痛の症状が出てきます。
その後、4〜6週間すると病勢がおさまり、尿道の炎症もおさまり痛みもうすらぎます。しかし、治療による完治でない場合、淋菌が残っていることがしばしばです。
数ヶ月もすると、淋病は一見完治したように思えます。しかし、急性淋菌性尿道炎は専門医による治療で完治していない場合、慢性淋菌性尿道炎へ移行するケースが多いようです。慢性の症状は極めて軽く、早朝膿漏(朝一番の排尿時のみ膿を確認する)が出る程度になってしまいます。現在は医師の元で化学治療を行うことで慢性淋菌性尿道炎をみることはまれです。
淋病の場合、合併症ではありませんが後遺症的に尿道狭窄がみられますが、これも近年はあまり見られなくなりました。
女性の場合、痛みはほとんどなく、普段に比べてオリモノ(黄色い膿状の)が異常に増えることがあります。時に、膣口にしこりやソケイ部にグリグリが出来ることもあります。
淋病の感染経路は性行為によるものですが、幼児など抵抗力のない場合、風呂やタオルなどで感染することもあるので注意が必要です。また近頃は、オーラルセックスなど性の多様化にともない、淋菌性咽頭炎や直腸炎などが見られるようになってきています。
ご注意! | ここでの説明は一般的知識の範囲になっています。典型的な症例や治療法の説明にすぎません。内容は充分チェックしていますが、くれぐれも参考情報にとどめてください。素人判断・素人療法は絶対に避けることをお勧めします。とくに、現実に症状などを自覚した時は、専門医の診断を受けられることを、強くお勧めします。 |
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